最近サイバネティクス全史という本を少しづつ読んでいる。まだ1章である。サイバネティクスの歴史は、戦時の制御と通信、というテーマから始まる。第二次世界大戦の時代、対空の砲撃技術の向上に対して強い要求があった。敵の戦闘機を撃墜できるかが死活問題だった。砲撃のための工学的なシステムが開発され、人間はその一部として組み込まれる。例として大きめの航空機の下に設置された球体上の砲撃用の空間が出てくる。砲撃手はその小さな球体の中に入って、砲撃を成功させるための「計算」を行い、目の拡張であるレーダーを使い、砲撃を行ったのだという。工学的な制御システムを専門とする会社にアルフレッド・クリミという雇われ画家がいた。人間と機械を一体化させたイラストレーションが必要とされておりそれを描いた。計算は当時は人間の目と頭を使って行われていた。計算のために必要なデータは別の人間から電話で連絡された。レーダーを読み解くのは職人芸だった。サイバーとは何か。その説明はウィリアム・ギブソンのSF小説(コンピュータの中の電子的空間という物語の舞台)から説明されることがあるようだが、サイバネティクスの歴史的な背景はまず戦争であり、そのために人間と機械をどのように効率的に連携するか、が重要な問題だった。