『思考の整理学』は1986年に外山滋比古によって書かれた本である。この本は、知る、思う、考える、はそれぞれ異なる情報処理であることを読者に反省させる。
知るとは、対象の観察により一次情報を得て記憶に情報としてストックすることである。
思うとは、知った情報からなんらかの推論が行われたが、推論された意味内容にはまだ確証がなく、論理的に批判され、検討されていない考えである。思っただけのことは、たとえば、〇〇と思われる、や、〇〇だろう、という表現がされる。まだ受け身であり、責任があいまいな状態である。
考えるとは、AはBである、という断定的な表現によって、その意味内容をより明確にし、責任をもつ段階にある。考えるには、論理的な批判や根拠となるデータの確認といった手間をかけた情報処理のプロセスが必要である。
絵を描くことを連想してみる。まず描く対象を観察すること、その後、あいまいな線で当たりをつけたり、線を消したりして形を探ること、そして、明確な線や面を見極めて固めること。言語を使った情報生産においても、こうした処理過程をきちんと分解して取り組む必要がある。
自分がある文を書く時も、それが知ったことの表現なのか、思っただけのことの表現なのか、考えたことの表現なのか、注意しよう。