放射性廃棄物としてのスズメバチ

放射能汚染されたスズメバチが発見されたというBBCのニュース記事があった。

1950年代にアメリカで核兵器の部品を製造していた施設の敷地内で、放射線を発するスズメバチが発見された。放射線の定期検査を行う作業員によってそれは発見された。スズメバチは殺虫剤で殺された。スズメバチの巣とスズメバチは放射性廃棄物として捨てられたと、アメリカエネルギー省の報告書で述べられた。この施設はサバンナリバー原子力発電所で、フロリダ州の少し北に位置する。

核廃棄物を収めるタンクから放射性物質が漏洩したわけではなく、敷地内残留放射能汚染が原因であると報告されている。労働者、環境への影響はなかったとコメントされている。

なぜ放射能汚染されたスズメバチが存在するのか。

スズメバチの巣の材料は何か。スズメバチは木の皮を巣の材料にする。朽ちた木や樹皮そのものが放射性物質に汚染された状態で存在しているから、いま生息しているスズメバチがつくる巣から放射線が出ているのではないかと思う。その巣の中のスズメバチが被ばくすることになる。

だから環境への影響はないとは言えない。

この出来事については、まずスズメバチという生物が「放射性廃棄物」扱いされて殺虫剤で殺されるということに対する疑問がある。

ヒトは自分でリスクを生み出してリスクを管理するために他の生物を殺す生物であるということ。スズメバチからしたらたまったものではない。

ヤバい物はゴミにして地下に埋める、環境に影響はない、そのための技術を発達させればよい、という思考によって、いまの原子力技術とその上に成り立つ社会があるのだろう。

テクノクラートや国家はリスクを管理できない部分があるとは認められない。そして管理のために他の生き物を大量に殺す。

核兵器も原発もいまの生活を成立させている条件ではあるし、ゼロにしろ、という現実をみない理想は主張するのは難しい。しかし、このような技術の使い方と管理の発想でいいのかという倫理の問題はある。

https://www.bbc.com/news/articles/c3dpxr85228o